お墓のお供え物

2014-03-28

[かけ水]

水は万物成長の素であり、清浄なものの象徴であります。墓石に水をかけることにより不浄を洗い流し、故人の霊を清めるとされています。また、水は亡き人に施す食べ物としての意味もあります。これは六波羅蜜における「布施」に通じ、その字の通り広く施しを与える仏尊の大悲大慈の心を表します。
仏教では死後の輪廻転生の世界として、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天の六道(ろくどう)があります。このうち餓鬼道に堕ちた者は、水を飲もうとして口まで持っていっても、水は途端に火へと変わってしまうため、常に飢えと渇きに苦しんでいるといわれています。そんな餓鬼を哀れんで水を施し与えようというのがお墓のかけ水であります。お墓にかけた水だけは存分に飲めるのです。
こうした意味からも、お参りの際、かけ水は墓石の上からたっぷりと注いで施したいものです。

[仏花]

墓前に花を供えるのは、悲しみや苦しみに負けず、怒りや焦りなどを排し、常に明るい笑顔を持ち続けるという六波羅蜜における「忍辱」を実践する意味が込められています。
自然の花は美しく、人の心を鎮め、心の邪悪を取り除き清めてくれます。また花は仏の慈悲を表しているといわれ、仏心を培い、仏果を向上させる意味があります。

お彼岸の頃にはお供え用の仏花として、菊などを中心にセットされたものが売られていますが、とくにこれでなければいけないという決まりはありません。故人が好きだった花や、お参りする人が飾ってあげたいと思う花、季節の花など美しい花であれば種類や色は構いません。大切なのは心を込めて供えることです。
ただし匂いのきついもの、トゲのあるものなどは避けた方がよいです。どうしても生花を用意できない時は造花でも仕方がないですが、決してふさわしいとはいえません。できる限り新鮮な切り花を供えます。
一般に左右同じようになるよう対で用意し、仏の慈悲を頂くよう花の正面がお参りする人に向くように飾ります。
お墓に供えた花は枯れて見苦しくなる前に取り替えたいものです。家が遠いなど、どうしてもこまめにお参りできないようであれば、定期的に花を供え、簡単な掃除をしてくれるサービスを行っている会社もあるので利用するのもよいでしょう。

[線香]

香は邪気を祓い、不浄をすべて清める徳を持つといわれています。よく寺院などで大きな香炉からもうもうと立ちのぼる香煙を参拝者らが頭や肩、腰など身体に振りかける姿を見ますが、これも悪気を払い、病を癒し、心身を清めたいと願うところから来ています。
またその香りが四方無限に広がることから、仏の慈悲が誰彼の区別なく与えられることを表しているといわれ、一度火を灯すと燃えつきるまで芳香を放ち続けることから、六波羅蜜の一つである「精進」をも意味しています。

線香は主な原料によって、「杉線香」と「匂い線香」の2種類に分けられます。杉の葉の乾燥粉末を原料に製造される「杉線香」は杉特有の香りのする煙の多い線香で、値段もリーズナブルなことからお墓参りには一般にこれが使われます。「匂い線香」は椨(たぶ)の木の樹皮の粉末を主原料に、各種の香木や香料を加えたもので、現在広く家庭や寺院で使われています。

[灯明]

仏壇を明るく照らすロウソクの明かりが灯明です。首都圏ではあまり見られないようですが、墓前に線香とともにロウソクを立てる地域は多いです。
六波羅蜜における「智慧」に通じ、煩悩の暗闇を明るく照らす仏の智慧を表しています。灯明は一切衆生(この世に生を受けたすべての生き物)の無明を照らし、故人の霊を悟りの境地の極楽浄土へ導く重要な役割を果たしています。

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